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フランス映画入門  オシャレで比較的わかりやすいルコント監督作品

作家で仏文学の翻訳家の澁澤龍彦さんは、ドイツ映画「ブリキの太鼓を見たとき、「オスカル(主人公)は俺だ」と共感して涙したとかしないとか、大変お気に召したそうです。(ノーベル賞作品原作といえ、スゴいグロい映画なんです)

こういう人の心に突き刺さるのは、ハリウッドではなくてヨーロッパ映画が多い気がします。

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そこまで感受性豊かではないですけれど、自分にとってすごく親近感を感じる映画はフランスのパトリス・ルコント監督の作品。

ルコントの映画はすごく情緒的。私小説を読んでいるような感覚です。そして大抵のフランス映画にも言える様に、無駄にシリアスで皮肉っぽくて、オシャレでちょっぴりエロティック。

ただルコントの特色は、感性が思春期の少年のようです。よく言えばとてもピュアで、悪く言えばマザコンのような大人になれない少年です。

大人の目からはガキっぽく、子供の目にしてはませ過ぎで、エロティックっていうよりもむっつりスケベ。

だけど登場人物はいつも魅力的で切なくて感情移入してしまう。

いい奴も悪い奴も嘘つきもダメ男もなぜか愛らしい。なんかこういうキャラクターって手塚治虫の漫画に出て来そう。絶対、手塚治虫が生きていたらルコント好きだったろうなと思います。それにルコントは漫画も描きますし。

ルコントの映画はタイトルも素敵です。

 

髪結いの亭主

仕立て屋の恋

「橋の上の娘」

「歓楽通り」

列車に乗った男

「親密すぎるうちあけ話」

 

これだけでもゾクッとさせてくれます。

ちなみに最初に見た映画が「髪結いの亭主」。

これが本当にダメ男の話。子供の頃から床屋さんの雰囲気や女性の理容師に惹かれて、将来は絶対理容師と結婚しようと決めた少年が大人になって本当に美人な理容師と結婚して愛に満ち溢れた生活を送る話。南仏の床屋さんが舞台なんですが、太陽の光がとても綺麗。加えてアラブの音楽がバックミュージックですごくエキゾチック。そして包容力のある女優がエロティックでお話はとてもロマンティック。ラストは言えませんが、愛に満ち溢れた幸せの最高潮の時、妻が選んだ決断に驚くばかり。

 

フランス映画はここ最近、悪い意味でアメリカナイズされてしまい文学性が失われてスケールの低いB級ハリウッド作品みたいのばかりになってしまいましたが、ルコントの作品はまだ衰退するギリギリ前のフランス映画監督。

ぜひルコントの作品を見てみませんか。