目黒で能を初鑑賞する
人生で初めて能を見に行きました。
場所は喜多能楽堂、目黒駅から徒歩数分にあります。
今回、能を見に行くことなったのは、外国人向けの無料ワークショップがあったから。
妻が外国人なので、その付き添いとして参加しました。
ワークショップでは、まず能の歴史の説明から始まり、一緒に謡を歌ったり、能面を装着して簡単な型を舞う練習、衣装の試着などがありました。
特に面白かったのは、衣装の試着。豪華絢爛な衣装を参加者が実際に着ると想像以上に重いようでした。さらに能面をつけると視界が相当狭いらしく、(説明によると足元は全く見えないので、役者は通常能舞台の柱を見て空間を把握しているのだとか)、衣装と能面をつけて舞いをしようとする参加者の動きが不自然でロボットのようで笑ってしまいました。
地味そうなイメージの能ですが、実はかなり体力がいることがわかりました。
そのワークショップの後は、「大会(だいえ)」という実際の能楽の鑑賞です。
あらすじは、以下の感じです。
比叡山の僧に助けられた山伏(天狗)が、お礼に1つ何でも僧の願いを叶えてあげるという。欲のない僧は、ただ1つ帝釈天の説法を聞きたいと願う。天狗は、その願いを了承したが、ただ1つ条件をつける。現れた帝釈天を心から拝んではいけないと。
しかし、実際に帝釈天を目にした僧は、その条件を忘れて有難いと拝んでしまう。
すると突然、怒った顔のもう1人の帝釈天が現れ、僧が拝んている帝釈天と争いのようになる。僧が拝んていたのは実は、天狗が化けていた偽物の帝釈天だったことが明かされる。天狗は、本物の帝釈天に怒りをくらい、穴へと落ちていく。
ストーリーだけみると、なんかう~ん、カタルシスがないというか、シンプルな割にハッピーエンドじゃないのでモヤモヤ感があります。でも、このちょっと何がいいたいのかよくわかんないなってとこに惹かれもするのですが。
見る前と最初の5分は絶対寝るだろうな、と思っていたのですが、途中から太鼓や尺八の音に合わせた舞や衣装の着替えなどがあったりと、ちゃんと見せ場があり、結構興奮して見れました。正直、やっぱり自分には日本のDNAが流れているとも感じちゃったり。
最近の映画とか舞台は、やや過剰にわかりやすいというか情報量が多すぎて飽き飽きしていたので、すごく余計な物をそぎ落とした能は結構楽しいなと思いました。
これ、3000円くらいで見れたらまた行きたいななんて。
でもデートには微妙かな。行くとしたら、前に全部ストーリーとか勉強してかなきゃいけませんし。仮に、行くとしたらそのあとの食事はステーキとか焼肉とか「わかりやすくて高級で美味しい料理」がいいなと思います。この後、フレンチとかだと近づきにくい男子になっちゃう気がします。
以上、能の初鑑賞でした。